大学の片隅で事務職員がさけぶ

小さな大学の事務職員がいろんなことをさけびます

いつもより早い説明会

先週、いつものメルパルクホールで開催された大学設置等に関する事務担当者の説明会に参加してきた。今のところ何も予定はないけれど、毎年うちからは誰かが参加していて、ここ数年はずっと私。いつもは3月の初めで仕事も落ち着いたときなので散歩気分で参加するのだが、今回は時期が早まっていろいろとあわただしい中職場を出て、ランチもそこそこに会場に入った。

ほぼ満席の会場を見渡すと、8割くらいは男性だろうか。若い人もいるけれど、年配の人も多いがその人たちは事務担当者ではなく責任者なんじゃないかという感じの人も多い。

なんとなく居心地が悪いのはいつものとおり。かといって、2人で参加できるほどうちには人的余裕もなく、一人でしっかりと聴かないといけない。

でも、基本的には資料の内容どおりの話だったので、申請の日程が大きく変わったり、必要な書類が多少増えたりという話はそもそも今回関係ないし、とくだんメモをとるようなこともなく、思わず気が遠くなってしまうのをこらえるのが大変だった。

目が覚めたのは休憩終了後の「大学のガバナンス改革に関する学校教育法改正について」の話。今はもう文科省のサイトに公開されているが、各大学からの問い合わせをもとに「内部規則の総点検・見直しにおける留意事項」をあらたに公開するという話だった。何を相談することがあるのだろう、と思って話を聞いていたら、自分というかうちの大学が思い違いをしていた部分があることがわかってちょっとあわてた。こうやって細かく情報を提供してくれるようになった文科省に感謝です。

 

今回の説明会で実は心が痛くなった出来事があった(本日の主題)。

それは質疑応答のときである。一番最初に質問したとある女子大学の方の質問を聴いて心が痛くなった。

実は最初、何をいっているのかよくわからない、要領の得ない質問だった。だから回答しようとする文科省の人も戸惑っていたように見えた。

簡単に言うと「収容定員の減だけをしようとしているが、学生確保の見通しを示すアンケートなどの根拠資料を添付しないといけないのか。学生確保の見通しといわれても、教授会もいろいろとうるさいので、資料と言われても難しい」といった趣旨の話、だったと思う。

それに対する文科省の答えはアンケートは必須ではなく学生確保の見通しを客観的に見通せるデータであればよい、という話であった。文科省は言明しなかったけれど、資料を読む限りでは、収容定員を変更する学部等の入学志願状況をつければよいのではないかと思った。

……いえ、何が心が痛かったかというと、この女子大は収容定員を減らすだけなんです。減らした定員を違う学部に付け替えるとか、新しい学科を作るわけではなく、減らすだけなんです。この大学の情報の公開のページを探すと……とても探しづらいのですが、そこを観ると収容定員2000名に対して在学生が約1200名となっている。それくらいだとは思っていたので、心が痛かったんです。

 

他人事ではないんですよ。

うちもトータルでいうと定員はほぼ満たしているけれど、個々の学科をみると、差がある。現在の志願状況をみる限りでは来年度はかなり危機的な状況である。収容定員を減らすことで補助金の減額率を抑えるという選択肢も当然考えられる。実際に起案もしているが、定員を減らすという選択は大学としてなかなかできないものらしい。

その女子大はあえて定員を減らそうとしている。そういった状況をみて、心がいたくなったのだ。そして、女子大なのに質問した人……それもなぜか二人で一つの質問をしていたのだが、遠くから見た限りではかなり年配の男性だった。

 

帰り、いつものように増上寺によって参拝した。

もちろん願い事は一つ。

 

「定員が埋まりますように」